大腸がん検診で便鮮血陽性の診断を受ける方は多いと思います。
これは、便の中に血液が混入しているという異常です。現在の検査法は便ヒトヘモグロビン(免疫学的方法)でチェックしていますので主に下部消化管(大腸・肛門等)からの出血を意味します。
便に血液が混入する主な原因の一つは痔ですが、これはトイレットペーパーでお尻を拭いた際に少量の血液が付着する程度から便器が真っ赤に染まる出血まで様々です。しかし、こ...
肛門から出血する…という場合に真っ黒な便(黒色便またはタール便)が出る“下血”と真っ赤な新鮮血が排泄される“血便”があります。
下血は食道、胃、十二指腸や上部小腸から出血して腸を経由して真っ黒となり肛門から排泄される場合で、急激に大量の出血があると、吐血を伴うこともあります。
血便は主に下部小腸、大腸、肛門からの出血で、赤黒いものから真っ赤な血液までを肛門から排出します。
これらの消化管から徐々に...
ヘリコバクター・ピロリ感染症は全身に影響を及ぼす感染症であり、胃・十二指腸潰瘍や胃MALTリンパ腫、胃癌の他、特発性血小板減少性紫斑病、鉄欠乏性貧血、慢性蕁麻疹にも関係しています。
ピロリ菌(Helicobacter pylori)は2.5-3.0μm(0.0025-0.003mm)という小さな、らせん型のグラム陰性桿菌で、胃(時に十二指腸球部)に生息し菌体毒素を胃壁に注入することで胃の炎症を起こ...